ホーム    TOPICS   会の活動   メンバー構成   レッスン各種   講師紹介   会員/会友募集
練習室・楽器レンタル   所蔵楽器   CD    アクセス   E-mail     想楽舎

2007 オリゴの秋   初・中級会員による発表会 No.23

 恒例のオリゴの秋、今年度はオリゴスペース1Fの完成に合わせ、そのオープンの初
日11月23日(金・祝)に開催し、「初・中級会員による発表会No.23」、武久源造氏のレクチャー「バッハはブクステフーデの弟子か対立者か」が終了した。
 明るく柔らか、暖かい光を感じさせる壁の色、そして響き具合のとても良い空間での「2007オリゴの秋」は、古楽研究会にとって記念すべき行事となったといえるだろう。
研究会の本拠地での行事は便利さとともに、初めての会場をどのように使用したら
スムースに進めていけるのかという課題もあった。幸い出演者、お客様をはじめ会員の皆様の温かいご協力を得て無事に終了することが出来たことを、まず感謝申し上げたいと思う。

 14:00からの発表会には会員、およびプライベートレッスン受講者がチェンバロソロに
7名、アンサンブルに3組が出演した。賛助出演に嘱託講師でソプラノの木島千夏氏と、急病によりやむなく出演休止のピンチヒッターとしてリコーダーの小池耕平氏
(嘱託講師)が演奏してくださった。約40名のお客様にはそれぞれの熱演を楽しんでいただけたのではないだろうか。

 使用楽器は1Fに常設のスコブロネック作の

2段フレミッシュと深町作のイタリアンである。

会場を横長に使うことによって演奏者と全てのお客様がより一体となるよ
うに配置したが、これはチェンバロにとっては良い効果があったと思われるものの歌
手や管楽器の演奏者にとっては奥行きが不足していたようだ。演奏時に身体の向きを
斜めにするなどして流石の対応をしていただいた。また、密閉された空間での空調の
不可欠さ、ロビーの使い方、シャッターの雑音対策等々の改善すべき点があり、これ
らは工夫と経験を積み重ねることでよりよいスペースにしていきたいと思う。

2007 オリゴの秋    招待講師による講座

17:00からは武久氏のレクチャー、発表会出演者も協力して準備に取りかかる。スタッフも聞き逃すまいと、会場は40名の受講者で一杯になって開始された。豊かに響く
チェンバロ演奏と非常に分かりやすく絶妙な例えが楽しいお話しで2時間はあっという
間に過ぎ去った。以下に概要を述べる。

 ブクステフーデは17世紀後半から18世紀初頭にかけて活躍し、北ドイツオルガン楽派の一人として知られるが、その生涯は特に成人するまでのことについて不明なことが多い。北ドイツのリューベックでオルガニストとなってからは、音楽的にはもちろんであるが世渡りにもなかなかの才能を発揮したようで、同職業の中ではかなりの高給を得ていたそうである。前任者のF.トゥンダーから受け継いだアーベント・ムジーケンと呼ばれた演奏会は大変な人気で、リューベックの観光目玉の一つであった。20歳のJ.S.バッハが
370kmも離れたアルンシュタットから徒歩でこれを聴くために訪れ休暇を大幅に超過してしまったという逸話はあまりにも有名であるが、高い評判が遠くまで行き渡っていたということである。

 ブクステフーデの音楽をスウェーリンク、シャイデマン、トゥンダー等の北ドイツ
オルガン楽派の流れの中で捉え、さらに、イタリアのフレスコバルディやマイオーネから
フローベルガーを経てもたらされたドラマティックな表現のための作曲技法上の変遷を
みた。ブクステフーデの音楽の源泉を辿る中で修辞学(Rhetorica)というものが大きく
浮かび上がってくる。当時、修辞学は「効果的に語る方法」を学ぶ教科として
初歩教育三科の一つであり、従って誰でも知っていることであった。この方法は音楽にも適用された。全体をどう構成するかを考えるためには配列(Dispositio)の方法論が、
そして音型が様々な感情や情景、事物を象徴していると考える音楽修辞学
(Figuren-Lehre)があった。ブクステフーデはこれらを巧みに使いこなしたという。
   彼のプレリューディウム ハ長調BuxWV136を例に具体的に細かく説明していただいた。修辞学を理解することによって、作曲家の意図を感覚的に感じ取るだけではなくて、
より明確な理解を得ることが出来ると思う。

 バッハのトッカータとフーガの一部も例に取り上げて解説してくださったが、
このふたりのコラールの扱い方の違いはなんと大皿料理と小皿料理に例えられて、
これは決して忘れられず、なるほど素晴らしい例え方であった。バッハはコラールの意図する全体像をテーマに楽想を延々と繰り広げてしまう、つまり大盛りになったサラダの
大皿を出されたようなものだがバッハドレッシングがあまりに素晴らしいので、我々は
つい最後まで聴いてしまう。一方ブクステフーデはというと、聴衆に語りかけるように
コラールの歌詞に基づいて細かく作っていく。その細かい部分の繋がりはまるで次々に出される会席料理のようで、時として種類が多すぎてしまうこともある。

 音楽家として理想的な人生を送ったとされたブクステフーデであるが、弟子や後継
者には恵まれず北ドイツでは忘れられた存在となってしまったようだ。しかし幸いな
ことに彼の作品は主に中部ドイツに筆写譜の形で、オルガン曲、声楽曲、器楽曲等合
わせておよそ260曲が残されたのである。                  
            (会員 菅原幸枝)
 

古楽研究会1Fスペース 開設記念イベント
       曽根麻矢子氏による チェンバロ・リサイタル

 初日の「オリゴの秋」に続いて24日Part2は、古楽研究会を経て国内外で活躍中の
曽根麻矢子氏によるチェンバロ・リサイタルが行われました。

 プログラムはダングルベール、ラモー、クープランなどフランスの作曲家の作品、
使用楽器はカルマン作フレミッシュ二段鍵盤(1624年、コルマール)でした。この日は
カルマンの楽器にとっても、<スペース1F>での本格的なデビューとなりました。
曽根さんの演奏が素晴らしいことは言うまでもありませんが、それまで2階サロンに
置かれていたこの楽器が、あまりにも美しく響くことに改めてスタッフ一同驚きまし
た。水を得た魚、とでも言うのでしょうか。カルマン作の楽器にとって、まさに活躍
すべき場所を得たようで、このスペースが本当に合っているのでしょう。

 曽根さんが演奏するフランス音楽は、軽やかそのもの。第一線で活躍する彼女の演
奏を間近で聴けるわけですから、この日の聴衆もすっかり曽根さんの音楽に魅了され
たようでした。そしてバッハの平均率クラヴィア曲集を録音したばかりの曽根さんは、CDに収められた曲の中からアンコールに応えてくれました。3曲目のアンコールを要求する聴衆に曽根さんは、「あまり弾いてしまうとCDが売れなくなるので、この一曲で終わりにします!」とユーモラスに応じ、リサイタルは終了しました。
             (会員 梶山希代)
 


 

古楽研究会1Fスペース 開設記念イベント   今日は一日チェンバロ祭

開設記念イヴェントPart3は、古楽研究会ビル1〜3階全館をあげて催す、チェンバロ
に親しんでいただくための一日。
<スペース1F>では研究会ゆかりの鍵盤奏者5人によるミニコンサート、2〜3階
では1階で使用の楽器を除いたチェンバロとクラヴィコード合計6台をご案内する館
内鍵盤楽器ツアー、という二つの催しで構成されました。

 この日のスケジュールは分刻み。朝9時に集合したスタッフは手分けして夫々の楽
器を調律し、お客様を迎える準備に大忙しでした。11時開演の第一回ステージの前
には、嬉しいことにすでにお客様の列が。そして最終回の第5回までお客様の列は途
切れることなく、全ステージほぼ満席状態でした!

 ミニコンサートと館内ツアーは交互に行われたため、1ステージが終わるとすぐに
スタッフがお客を2階へと誘導、そして次のコンサート出演者は自分が弾く楽器を調
律し開演に備えます。この目の回るようなイヴェントが、大きなアクシデントもなく
予定したタイムスケジュール通りに終了したのは奇跡的!というべきでしょうか。そ
れほど出演者、裏方スタッフ共にフル回転の一日でした。

 全イヴェント終了後は<スペース1F>にて親睦パーティーを行い、最後まで多く
のお客様で賑わいました。三日間のイヴェント開催期間中、お運びいただきました会
友・賛助会員の皆様には心より御礼申し上げます。          
                                                                      (会員 梶山希代)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーム    TOPICS   会の活動   メンバー構成   レッスン各種   講師紹介   会員/会友募集
練習室・楽器レンタル   所蔵楽器   CD    アクセス   E-mail     想楽舎