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古楽器研究会代表 加久間朋子 |
見学・試奏・コンサート(出演:伊藤深雪 pf、加久間朋子 cem) 8月29日(土) ハンブルグ美術工芸博物館(楽器博物館)にて 8月30日(日) ハッセルブルグ城にて 主催 古楽研究会 |
・Johann Daniel Dulcken, Antwerpen 1755 ・Frankreich 1730 (無署名) ・J.et A. Kirckmann, London 1785 ・A. Ruckers, Antwerpen 1628 フォルテピアノ: ・Johann Jacob Koennicke, Wien 1795 ・Johann Andreas Stein, Augsburg ca.1780 |
4泊6日という非常にコンパクトな日程には、通常の観光旅行のような予定はほとんどなく、ショッピングは移動中のロスタイム(たとえば空港)のみで、ほとんどが楽器見学、試奏、作曲家ゆかりの教会や歴史的建造物の訪問にあてられ、参加者全員の興味の対象が同じという利点を生かし、時には駆け足で、非常に貪欲に有意義な時間を過ごしてきました。 では、順を追って、私自身の観点からの旅行記を書くとしましょう。 |
最初のコンサートが予定されている博物館での楽器との対面とリハーサルの為、フォルテピアノ奏者伊藤深雪氏、私、娘と友人の4名は前日にハンブルグ入りをした。猛暑と伝えられていたヨーロッパであったが、驚くほど涼しい。コート、セーターを着ている人も多い。 <8月28日> 日本を発つ2日ほど前に、ハンブルグ在住のオルガン奏者で元会員の辻めぐみさんから、聖ヤコビ教会シュニットガー(Arp Schnitger)作のバロック・オルガンをお聴かせすることが出来るという朗報を戴いた。すでにきちきちのスケジュールであったが、こんな機会は願ってもないことである。幸い29日に見学予定の「美術工芸博物館」から徒歩5分ほどのところにその教会はあるので、いったん博物館をぬけてオルガン演奏鑑賞を組み入れることにした。そのヤコビ教会で前日ハンブルグ入りしていた参加者6名は28日に、毎週木曜日に開催されているヤコビ教会オルガン見学の会に出席することが出来た。これは当教会オルガン奏者(Kelber氏)が参加者をオルガン鍵盤横まで案内し、このオルガンの歴史とともに、時代、時代によって加えられていったストップを用いてのデモ演奏を聞かせるという催しである。(氏はクラシックばかりでなく、タンゴやジャズまでデモ演奏してくれた!!)最後には聖堂内でブクステフーデ、J.S.バッハ、モーツァルトの演奏を聴いた。豊かな頭から降り注ぐ音楽に包まれ、ドイツに来たのだ…と実感。 |
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私が選んだのは、ドゥルケン作フレミッシュ一段鍵盤と作者不詳フレンチ二段鍵盤。出国前からの心配事であったオリジナル楽器との対面は思ったよりスムーズで、少し安心。ドゥルケンは日本にあるコピー楽器で感じていた、渋く、凛とした音色をオリジナルの中にも確認。さらに深さと力強さに包まれていた。対してフレンチは軽やかで、しなやか。上鍵盤の鍵盤奥行きの短さに戸惑うが、下鍵盤のつややかな音色にしばし酔う。「ああ、やはり余分な力や気負いは不必要、楽器が演奏を導いてくれる」これが、この2台の楽器と出会っての強烈な印象である。 |
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夕刻、3階でのリハーサルを終えた伊藤氏と共に宿に向う。2晩はアルスター湖近くのホテル。花火に歓声をあげる。23時を回った頃、参加者全員が到着。事前に出してあった部屋割りとホテル側の対応が合わず、しばし確認作業…少々いらつく。 |
朝から雨がふり、さらに寒くなる。徒歩10分ほどで博物館に到着。キルシュ氏の出迎えを受け、10時の開館少し前に入館させていただき、早速オリジナル楽器の待つフロアーへ。3階のフォルテピアノから見学、試奏開始。一台一台キルシュ氏の英語による解説と会員三好さんのきびきびとした通訳で、次々と楽器を巡る。モーツァルトが弾いたであろう楽器からライオンの彫り物がされた足を持つシュタインウェイまで堪能。 ![]() |
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演奏会が始まる。まず、2階に設けられた会場に80名ほどのお客さんが集まる。私がそこでブクステフーデ、シャイデマン、J. S. バッハ、ムファットを演奏。その後、3階に移動して伊藤氏による演奏(ベートーヴェン、C. P. E. バッハ、モーツァルト)が始まる。アンコールに二人でモーツァルトの小品を連弾する。 |
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幾分天気がよくなった。バスでハッセルブルグに向かうが、まず、ホテルの移動。今度は五つ星ホテルに2泊する。斬新でスマートなロビーに少し感動。空間が広いのはゆっくりしたくなるもんだと出発時間までふかふかのソファーでぼーっとする。この日のコンサートではほとんどリハーサルが無いと同じなので、不安でいっぱいだ。でも、どうすることも出来ないので、伊藤氏と開き直りに近い心境になるねと会話を交わす。 |
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バスで近郊の町リューベックへ向う。ブクステフーデゆかりの教会があり、また、J. S. バッハが彼の演奏に魅了され、演奏を聴くために自分の仕事も忘れて長期滞在した町である。あいにく日曜日だったために、ほとんどの店は休み。お土産を買えないフリータイムなどと怒る方もいるかなと心配したが、教会は入れるのでそんな事を考える人もいないようである。すばらしいメンバーである。 まず、私たちの為に、開けてくれたというアンティークショップを訪問。その後、思い思いのグループに分かれ、しばし、町を探索。黒と茶が印象的な美しい北門を見た後、ジャガイモ専門店で昼食を取る。突然の雨のため、気持ち良さそうなテラス席から地下のテーブル席に移動。料理がなかなか出てこず、ビールを飲み干してしまう頃、やっと色々に料理されたジャガイモたちが登場。その美味に思わず顔もほころび、待ち時間へのいらだちも忘れ皆で頬張る。思いがけず時間がかかってしまい、後の探索は駆け足。市庁舎、聖マリア教会、マジパン屋さん…、見るべきところは何とか見て、集合場所には集合時間2分前に着き、皆から時間の読みの正確さになかば呆れられつつ、バスに乗り込む。そして、ハンブルグの聖ミヒャエル教会に移動。塔に登る。ハンブルグの町並みが一望に見渡せまた感動する。本当に駆け足のフリータイムであった。 <9月1日> 他のメンバーと別れ、朝8時台の特急に乗り、柏木夫妻、大段さん、私と娘、私の友人でベルリンに向う。ベルリンのツォー駅で柏木夫妻と別れ、自由にベルリンを一日探索し、皆より一日遅れで暑い日本に帰国。全日程を終了。 |
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この旅行を通じて、各々感じたことは違うものもあるかもしれませんが、共通していることは「今度は何処に行こうか?」という思いです。オリゴならではの旅行とも言えましょう。20名近くの団体になると、動きの難しさもありましょうが、受け入れ側が非常に真剣に対応してくれ、さらに通常では体験できないことも可能になるというメリット、チャンスがあります。また、再度このような独自の企画による旅行が実現できるよう、人との繋がりをさらに大事にしていきたいと思います。先方との連絡を担って下さった片山夫妻、準備を手伝ってくれた会員、辻めぐみさんと夫君、そして参加された皆さん、このツァーが充実したものとなった事に対して心から感謝申し上げます。 |
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